株式会社マンダム 「幹細胞の大発見」と「革新的な次世代の制汗剤」に迫る!

大阪大学大学院薬学研究科 マンダム 共同研究講座

前回、花王へのアタックが失敗に終わり、とても残念でした。へこたれずに、次も大手に挑戦しました。

その会社は株式会社マンダム

『GATSBY(ギャツビー)』でお馴染みですよね。

まずはマンダムさんのHPでデオドラント剤を調べてみました。

ななんと!HPで研究開発情報を発見。そこには体臭/制汗科学のページがあり、素晴らしい研究の数々がありました!

今回は素晴らしい研究の中から「汗腺に幹細胞を発見」「革新的な次世代の制汗剤」について、ご紹介します。

 

研究で、筋上皮細胞が幹細胞であることが判明!再発をひも解くカギか?

マンダムさんの研究で筋上皮細胞が幹細胞であることが判明しました。

私はこれを知って胸がドキドキしました。

なぜ、ドキドキするの?ですよね。今から簡単に説明します。

1 - 株式会社マンダム 「幹細胞の大発見」と「革新的な次世代の制汗剤」に迫る!

上の図のように、汗を出す汗腺はチューブ状になっており、汗腺の奥には折りたたまれた分泌腺があります。

この分泌腺の一番外側は筋上皮細胞が取り巻いています。

研究では、筋上皮細胞に幹細胞としての特徴である『自己複製機能(細胞が繰り返し増殖する能力)』『多分化機能(異なる細胞へと変化できる能力)』があることがわかりました。

と言うことは、汗腺には「細胞が繰り返し増殖する能力」と「異なる細胞へと変化できる能力」があると考えられるので、『再発』や『術後臭』の原因はコレなのでは⁈と思いました。

 

・術後に再発=細胞が複製した結果で、手術前と同じニオイがする。

・術後臭=細胞が変化した結果で、手術前とは別のニオイがする。

・再発しない=細胞が複製または変化しなかった。

このような理由で説明が出来るように思います。

手術をしても完全に取り除けなかった細胞は、のちに「複製する」あるいは「変化する」可能性があるのでは、と私は推察しています。
(詳しく知りたい方はマンダムの論文へ→)

 

研究で、汗腺の構造を可視化!筋上皮細胞は収縮していた。

実は数年前まで、汗腺がどんな形をして、どうやって分泌物が放出されるのか、わかっていませんでした。

しかし、マンダムさんの研究で汗腺が3D化され、より詳しい構造がわかりました。

 

分泌腺の一番外側には筋上皮細胞が取り巻いています。

その筋上皮細胞はタオルを絞ったように、ねじれた状態であることが判明しました。

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ねじれのイメージ

なぜ、ねじれているのか?

それは、収縮して分泌物を出して運ぶためです。

筋上皮細胞が収縮すると分泌物が出て、チューブを通り、肌の表面に放出される仕組みだったのです。

(詳しく知りたい方はマンダムの論文へ 収縮運動→ ねじれにつて→

 

これらの研究が「革新的な次世代の制汗剤誕生」につながる!

研究によって、筋上皮細胞が収縮すると汗が分泌されると判明したことで、『収縮運動と止めると、汗をかかない』とわかりました。

そこでマンダムさんは「筋上皮細胞に収縮運動をさせないように、汗腺自体を眠らせる研究」を進めています。

 

「汗腺の出口にフタをする制汗剤」ではなく「汗腺を眠らせる」ことで発汗を抑える新しい制汗剤の研究だそうです。

 

汗腺を眠らせることができれば、デオドラント剤の開発だけでなく熱中症や多汗症などの発汗に関連する病気の解明や治療につながると期待されています。

たくさんの可能性を秘めた研究です。

1日でも早く「汗の量を制御することができる新たな機能をもった制汗剤」を開発してほしいですね。

 

ただし、汗腺を眠らせるだけでは安心できない。

以前、ザ・世界仰天ニュースで放送された『バクテリアの移植(ニオイがしない人の脇のバクテリアを腋臭症の人の脇に移植して無臭化する)』をアメブロで記事にしました。

数週間前、偶然にもその研究をしているクリスさんのTwitterとHPを発見しました!

HPにはQ&Aコーナーがあり、彼が多くの質問に答えていました。

私は現在(2020年6月11日時点)で150弱のQ&Aを読みました。読んでわかったことは、たくさんあります。

衝撃を受けた内容の1つがこちら。

「汗を止めても脇にバクテリアが存在するため、ニオイは発生する」。

とても残念なことですが、バクテリアは非常に厄介で難しいのです。

 

では、マンダムさんの研究は意味がないのか?

そんなことはありません。

汗を止めて、さらにバクテリアの発生を抑えられたら問題ナシだと思います。

私の期待する商品が実用化されるまでに、時間がかかりそうですが、マンダムの研究者の皆さま!今後の研究に期待しております!!

 

まとめ

汗腺を眠らせる研究が行われていると喜びの報告をした後に、汗腺を眠らせるだけでは無臭化できないとショックな話をしてしまいました。ごめんなさい。

マンダムさんの汗腺を眠らせる研究論文を発見した時、これが商品化されれば私たちの悩みは終わると希望を抱いていました。

しかし、その後クリスさんHPを読み進めると、悲しい現実を突きつけられました。

 

クリスさんのHPには、ニオイとバクテリアの関係について、私の知らない情報ばかりでした。

早く報告したくてウズウズしているのですが、まだ読んでいないQ&Aが約450あります。(クリスさんが回答していない質問もありますので、実際は350ぐらいだと思います)

全てに目を通して、さらに私がバクテリアのことをある程度、理解できた段階で記事にしたいと思っています。

時間がかかりそうです。もうしばらくお待ちくださいませ。

【参考文献】

㈱マンダム 研究開発 体臭制汗科学へ→

大阪大学大学院薬学研究科 共同研究のHPへ→

ザ・世界仰天ニュース 未来のワキガ治療の記事へ→

 

ひとことメモ

今回ご紹介した研究について私は「マンダムさんの研究」と伝えていますが、正確には大阪大学大学院薬学研究科と株式会社マンダムが共同で研究されています。

この共同研究講座は2015年6月に設置されました。

大学の研究者と出資企業の研究者が共通の課題について、共同研究を行い、優れた研究成果を獲得することを目指しておられます。

今注目されている再生医療を化粧品に応用できないか、化粧品によって、様々な細胞の機能をコントロールできないかを研究されています。