みなさんこんな経験はありませんか?
デオドラント剤を使い始めた頃は効果を感じるのに、時間が経つと以前のような効果が無くなったこと。
私は過去に何度も経験しました。(たぶん。使用したほとんどのデオドラント剤で経験しました)
勝手な解釈ですが、効果が無くなったのは脇に住む細菌がデオドラント剤に打ち勝ったと考えていて、私はそれを普段「耐性がついた」や「耐性をもった」と表現しています。
薬剤耐性を知るとワキ臭の解決に繋がるかもと考え、今回は【ガンより怖い薬剤耐性 三瀬 勝利、山内 一也(集英社新書)】を読んでみました。
この本は抗菌薬が効かない薬剤耐性菌について書かれており、食中毒、インフルエンザウイルス、性病などの感染症が効かなくなる薬品耐性菌のメカニズムや抗菌薬の乱用がもたらす災害、微生物について説明されてます。
専門的な内容で本を開けば眠気に襲われてしまい、読んでしまうのに時間がかかりました(笑)
完璧に理解できていませんが、なるほどと思えるものをピックアップしてみました。
ちなみに本が取り上げているのは感染症なので、腋臭症は関係がありません。
しかし、薬剤耐性の考え方は何かヒントになるのではないかと思います。
抗菌薬の現状と細菌について
抗菌薬が効かない薬剤耐性菌の蔓延による死亡者が急増しているそうで、2050年には薬剤耐性菌による世界の感染症の死亡者は年間1000万人に達すると予想されています。
「人間は人と細菌などから成る複合生物である」とアメリカの生物学者、J・レダーバーグ提唱したように、私たちの体にはたくさんの細菌が住み着いており、その数は100兆個です。
これらの細菌は私たちに免疫力をつける役割や食べ物の消化を助けて栄養を与える役割、外部からの病原微生物をおさえる役割など、私たちに多くの恩恵を与えてくれています。
それだけ細菌は私たちにとって大事な存在なのです。
抗菌薬の乱用によって体の中にいる良い細菌まで殺してしまうと薬の効かない薬剤耐性菌を生み出すとともに、アレルギーや喘息、肥満などの病気になる恐れがあります。
しかし、ウイルスには抗菌薬は全く効かないのに、いまだに風邪の治療に抗菌薬が大量に使用されることがあります。
このように抗菌薬の乱用の積み重ねで抗菌薬が感染症に効かなくなる原因を作っているのです。
抗菌薬の基本的な考え
・どんな病原菌にも効果のあるオールマイティーな抗菌薬は存在しない
・全ての抗菌薬には副作用がある
・抗菌薬は大量に使えば薬剤耐性が現れ、必ず効かなくなる
過去に、200種類以上の抗菌薬が世界中で作られ使用されてきました。
しかし、いずれの抗菌薬でも、薬剤耐性菌が出現しなかったものありません。
ある抗菌薬を大量に使うようになると、早いものでは数年を待たずして耐性菌が多くなり、やがて過半数が耐性菌となり効果を失います。
耐性菌が蔓延した理由
人が抗菌薬や消毒薬を乱用してきたせいで薬剤耐性菌が蔓延したと考えられています。
細菌は抗菌薬を無力化してしまいます。
問題は抗菌薬で耐性菌が現れるかどうかではなく、耐性菌が多くなるまでの時間が長いか短いか。
効果を長持ちさせるためにも、優れた抗菌薬を慎重に使用しなければなりません。
細菌が抗菌薬を無力化する3つのパターン
1、抗菌薬の活性化を直接奪う
2、抗菌薬の攻撃を受ける細菌側の弱い部分や酵素を変異させる
3、細菌自身が抗菌薬の細菌内部への流入を阻害する
抗菌薬の効果を取り戻すためには
実は抗菌薬の効果を取り戻すことができるんです。
その方法は長期間使用を中断すること。(短期中断では意味がありません)
長期中断すると、抗菌薬が使われていない環境下では耐性菌が無駄働きをしてしまい、身動きの速い感受性菌(抗菌薬の効果がある菌)に生存競争で後れを取って、耐性菌の割合が減ってくるというしくみです。
まとめ
ざっくりですが、感染症の薬剤耐性についてご紹介しました。
抗菌薬は大量に使えば薬剤耐性菌が現れ、必ず効かなくなると知ったときはゾッとしました。
しかし、逆に大量に使わなければ薬剤耐性菌は現れないとも取れるので、使用量や頻度に注意したら大丈夫なのかなと思いました。
この本を読むと、体臭科学研究員のクリスさんが薬品を使い過ぎないようにと何度も注意していたことの意味がわかりました。
抗菌殺菌の商品を使い過ぎると良い細菌を殺してしまい、違う病気を招きやすくなるからだったのですね。
そういえば、本には抗菌殺菌作用のある商品(例えばボディーソープなど)も使い過ぎないようにと書いてありました。
薬剤耐性菌が育ちやすくなるからでしょうね。
う~ん。今後どんな対策をしたらいいのか迷いますよね。
とりあえず、
・デオドラント剤以外では殺菌抗菌のものは使いすぎない(コロナ対策は例外)
・週に1日以上は休脇日(脇に何もつけない日)をつくる・・・という感じでしょうか。
もう少し頭を整理してみます。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
参考文献:ガンより怖い薬剤耐性 三瀬 勝利、山内 一也(集英社新書)